親切、幸福な日々
ベコニアの原産地は熱帯、亜熱帯(オーストラリアをのぞく)で原種を交配し、
多くの種や品種がつくられたため、それらの性質は多様です。 開花期は1年中と言っても良いほど種類があります。
開花適温度は18〜20℃で花色はピンク、赤、オレンジ、黄色、白、青、紫です。
ベコニアの特徴的なのは「雌雄異花」なのです。
雄しべのつく雄花と雌しべのつく雌花が別々に咲く性質のことでベゴニアはひとつの
株に形の違う雄花と雌花がそれぞれ咲きます。
通常は八重咲きのもが雄花一重咲きのものが雌花です。
初心者にも育てやすく長く花を観賞できる植物ですが種類が多いので、育て易い主な
種別にすると、木立性ベゴニア、四季咲きベゴニア、根茎性ベゴニア、球根ベゴニア、
エラチオールベゴニアの5つの分類を案内します。
●木立性ベゴニア 茎がまっすぐに立って伸びるベゴニアで花が美しいもの、葉が美しいものなど
多種多様な品種がありベゴニアの中でも育てやすく人気のあるタイプです。
木立性ベゴニアはさらに4タイプが有ります。
「矢竹型」「叢生型」「多肉型」「つる性型」
●四季咲きベゴニア
環境によっては1年を通して花を楽しめるタイプで、センパフローレンスとも呼ばれます。鉢植えのほか花壇の花としても人気があり、その多くが種から育てられます。
春から秋にかけて小ぶりの花をたくさん咲かせ、こんもりとしたシルエットを作ります。
●根茎性ベゴニア
茎が太く、地面をはうようにして育ちます。
園芸種の種類が最も多いタイプで根茎の形と大きさから、横走根茎型、直立根茎型、
半木立型、地中根茎型の4つに分類されます。
花よりも美しい葉を楽しむタイプのベゴニアです。
●球根ベゴニア
気温が下がると地上部が枯れて球根で冬を過ごすタイプです。
アンデス山脈に自生する6〜7種類の原種を複雑に交配しているためデリケートで
日本の暑さに弱いものが多く専用の温室がないと栽培は難しいです。 ベゴニアの中では大きな花を咲かせるので最も華やかな種類ともいえます。
● エラチオールベゴニア
球根ベゴニアの交配で誕生したもので冬に咲く鉢花として人気があります。
贈り物などに使われますが、暑さにも寒さにも弱く20℃前後の環境が最適です。
◆ベコニアを育てて楽しむ
日当たり・風通しの良い場所を好む植物ですので日当たりが悪いと花が咲き難くから
なります。
苗や種はホームセンター、園芸店、街のフラワーショップで入手することができます。
球根ベゴニアは種苗会社のインターネットやカタログ販売で球根を入手することが
できます。
庭植えやハンギングバスケットやコンテナ植えにしたり、自分でさし芽をして数を
増やし寄せ植えも良いです。鉢は5号(15cm)程度で
花色は赤、桃、白の3色が一重咲きでは主ですが、八重咲きもあります。
育てるには一重咲きの方が八重咲きより育てやすいです。
同種のベゴニアの色違いを用意し2~3つの花色で寄せ植えにするとか、
シロタエギクを刈り込んで草丈を低くしたものと寄せ植えすると見栄えがします
◆ベコニアの育て方
鉢やプランターで楽しむ場合の肥料は、緩効性の化成肥料を元肥にし、
追肥は水やりの時に一緒に施すことのできる液体肥料が便利です。
地植えの場合は、庭の土の中に混ぜ込む有機質の肥料を用意します。
鉢植えの用土は市販されている草花用の培養土でもよいですが、
自分で配合するならピートモス5、赤玉土2、腐葉土1、パーライト1を基準にします。
これを季節ごとに調整し夏はパーライトを冬はピートモスを多めにします。
苗は植えた後、草丈が少しずつ伸びると同時に株の幅も出てきます。
コンテナに植えるときは株と株の間を5~6cmはあけないと葉が触れ合った
箇所が蒸れて腐ったります。
日光が大好きなので、直射日光が毎日5~6時間当たる所に置きます。
水やりは用土の表面が乾いた時に与えます。
肥料は1000倍に薄めた液体肥料を春から秋まで週1回の割合で与え、
別に粒状の化成肥料を40~50日ごとに根元にばらまきます。
放っておくと上と横広がり伸びるとともに下葉が落ちて茎ばかりが目立つようになります。
生育期に2ヶ月たったらハサミで伸びている茎を1~2cm切り生育を止めます。
すると根際から新芽が吹き、美しさを取り戻します。
手入れを怠り伸びすぎてしまった時は7月末に 思い切って草丈を半分にします。
すると新芽が吹いて初秋には美しい姿になります。
次々と絶え間なく咲きますが、それにつれて落下もします。
落ちた花殻をそのままにして置くと、腐って根元を傷めることがありますので、
落ちる前に早めに花殻を指で摘み捨てます。
鉢植えの管理では、寒さや暑さにも注意しましょう。
ベゴニアを育てるのに最適な気温は20℃前後と言われており、
夏は30℃以上になると株の元気がなくなってきます。
冬は10℃程度で成長が止まり5℃以下になると枯れてしまいます。
屋外で楽しんだベゴニアも冬には室内に移動させましょう。
多湿にも弱いので1年を通して風通しのよい状態を保つようにします。
◆増やし方
さし芽で増やす方法は4〜5月頃と9月下旬〜10月上旬頃が最適です。
用土は赤玉土かバーミキュライトを使います。
①元気のある茎を2〜3節つけて切ります。天芽挿しの場合は茎の先端に天芽を、
管挿しの場合は節に葉芽があるのを確認してください。
②上部の葉を2〜3枚残し下葉は取り除きます。
上部の葉も大きなものはハサミで半分にカットします。
③湿らせた清潔なバーミキュライトに挿します。
④直射日光の当たらない場所に置き土が乾いたら水やりします。
1か月ほどで根が出ます。
新しい葉が出てきたらビニールポットに鉢上げしましょう。
その後は生育するにしたがって植え替えをしていきます。
葉挿しで増やす方法、4〜5月頃と9月下旬〜10月上旬頃が最適です。
根茎性ベゴニアは、葉挿しで増やします。古い葉は発根しにくいので、
新しく出てきた若い葉を選びましょう。
①葉柄を2cmほどつけて葉を切り落とします。
②湿らせた清潔なバーミキュライトに葉柄が埋まるように挿します。
③直射日光の当たらない場所に置き、土が乾いたら霧吹きなどで水やりします。
レックスベゴニアは葉が大きいので葉を細かく切って土に挿すと発根しやすくなります。
中心の太い葉脈が土に挿せるようV字型に切るようにします
1ケ月ほどで根が出るので新しい葉が出てきたらビニールポットに鉢上げします。
その後は生育するにしたがって植え替えをしていきます。
種まきで増やす方法、4月〜5月が適期です
種をまいた後、種を土で覆わないようにするのがポイントです。
水やりは鉢の受け皿に水を貯め下から吸わせる底面給水で行います。
ベゴニアの発芽適温は25℃前後です。
気温が低いと発芽が遅くなりますので気温が下がる時は室内で管理します。
種まきに使う土は、赤玉土と調整ピートモスまたはココピートを同量に配合した
清潔なものを用意します。
種まきは次の手順で行いましょう。
①9cmの素焼き鉢に8分目まで土を入れ、表面を平らにします。
②種を均一にまきます。種が重なったり、1か所に密集したりしないようにします。
③鉢受け皿に水を入れ、種をまいた鉢を置きます。
④順調であれば2週間ほどで発芽します。発芽して子葉が出てきたら底面給水をやめ、
土が乾いたら水やりをします。
⑤本葉が2、3枚出てきたらひとつずつ6cmのビニールポットに移します。
土は、種まき時と同じものを使います。
⑥2週間後くらいから週に1回液肥を与え、ビニールポットの内面に沿って根が
伸びてきたら、鉢や庭に植え付けます。